平成30年7月より、東京国際空港ではTSAT(Target Start Up Approval Time)が運用されています。
AICs 022/18「東京国際空港におけるTSAT運用について」に記載されている内容をざっくりと要約します。
実際に運用される際は、上記AICを熟読することを強く推奨します。
対象航空機
以下の両方が6時20分から22時59分までの、全てのIFR出発機に適用されます。
- フライトプランの出発予定時刻「EOBT(Estimated Off-Block Time)」
- 管制官から提供する航空機が移動開始の許可を受領する目標時刻「TSAT」
ただし、以下の航空機には適用されません。
- EOBTから60分以降のEDCTが指定された航空機。
※該当EDCT指定後に、EDCTが変更又は取り消しされた場合も適用外。 - 出発の停止を指示された航空機。
つまり、12時発の航空機に13時以降のEDCTが指定されたり、「Hold on the ground」が指示された場合は適用されない、ということです。
運用方法
管制官からの許可があれば直ちに移動開始できる状況となる目標時刻を、TOBT(Target Off-Block Time)として出発予定時刻(EOBT)の35分前までに確定し、管制機関に通報しなければなりません。
通知するTOBTは、EOBT以降であることと、接続元到着便のインブロック時刻に標準グランドハンドリング時間を加えた時刻の25分前以降である必要がありますが、VATSIMでは事実上運用不可能でしょう。
TOBTを通知できない場合は、EOBTで代用することになっているので、VATSIMで運用する場合はこれを適用しましょう。
TSATの通知
TSATの通知は6時から22時59分の間に実施されます。
TSATはVDGS(Visual Docking Guidance System)の表示で通知されますが、これもVATSIMでは再現することができません。
ですが、VDGSが設置されていない場合や、使用できないことが周知されている場合は、クリアランスと同時に音声通信またはデータリンクで通知することができるようになっています。
なお、音声もしくはデータリンクを使用してクリアランスと同時にTSATが発出される場合は、EOBTと同時刻であれば通知は省略されます。
VATSIM上でTSATの指定がなかった場合はEOBTと同時刻であると捉えましょう。

SFJ75, Tokyo Delivery. Cleared to Kitakyushu Airport via NINOX2 departure flight planned route. Maintain FL200. Squawk 2224. TSAT 0021.
TSATが変更・取消された場合は、音声通信で通知する必要があります。
移動開始
航空機は、TSATに移動開始を要求します。
TSAT(EOBTで代用する場合はEOBT)よりも早く移動準備が完了した場合は、この限りではなく、TSATの3分前から移動開始を要求することができます。
なお、TSATに移動が開始できない場合は、移動開始準備完了次第、すみやかに移動開始を要求する必要があります。
また、管制官はTSAT前であっても、必要に応じて移動開始を指示することができます。
ざっくりまとめると…
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