継続降下運航方式（CDO）とは、適切な地点から降下を開始、途中で水平飛行を行うことなく、進入開始点まで継続的に降下を行うことで最小のエンジン推力を維持し、燃料や時間を節約する運航方法です。
関西国際空港、鹿児島空港、那覇空港で運用されています。
通常の降下では、ACC（コントロール）相互間の移管や、ACCからAPP（アプローチ）への移管に際して高度制限が付与されることがありますが、継続降下運航方式では交通状況が許せば水平飛行を必要とする高度制限なく降下することができます。
実施方法
航空機からの要求・管制官からの承認の際にはCDO経路名を使用します。
CDOの要求は空港ごとに定められた時期に、承認は降下開始点到達の3分前までに行います。
Request [CDO route name].
[CDO経路名]を要求します。
Cleared (to [fix]) via [CDO route name]. Descend and maintain [altitude], comply with restrictions.
[CDO経路名]経由で（[フィックス]までの）CDOを承認します。降下して[高度]を維持してください。高度制限に従ってください。
CDO経路ごとに高度制限が公示されているため注意が必要です。
交通状況によっては高度制限の変更・速度調整が行われる場合や、CDOが承認されない場合があります。
CDO経路(CDO Route)
航空路、RNAV5経路、直行経路及びSTARのうちいずれか、又はこれらを組み合わせたものにより構成されるCDO対象経路として公示された経路をいう。
航空保安業務処理規程第５管制業務処理規程 Ⅰ－２ CDO経路(CDO Route)
「Descend and maintain」の用語で指定される高度は関連空域と調整の上、進入開始高度までの降下指示が発出されるようです。（2018年頃の情報提供および管制業務処理規程の例文）
CDO交信例（関西国際空港）
関西国際空港においては、降下開始点の10分前まで※に、KARIN、RANDYまたはEVERTの通過予定時刻と、降下開始点（Top of Descend）を通報する必要があります。
※佐賀空港発を除きます
Request RWY06R CDO Number 1. TOD 36NM before BRAVE. KARIN estimate 1731.
RWY06R CDO Number 1を要求します。降下開始点はBRAVEの36NM手前です。KARIN通過予定時刻は1731Zです。
Cleared to ALLAN via RWY06R CDO Number 1. Descend and maintain 4000, comply with restrictions.
RWY06R CDO Number 1経由でALLANまでのCDOを承認します。降下して4000を維持してください。高度制限に従ってください。
要求時の通報内容は各空港ごとに定められています。
要求前に必ずご確認ください。
CDOの中止
管制官は、交通状況によって中止を指示することができます。
中止の際は必ず代替の飛行方法も指示します。
Cancel CDO. [Alternative instructions].
CDOを中止します。[代替指示]
管制官は、CDOの中止を指示したあと、再度CDOを承認することができます。
また、使用滑走路が変更になった場合はCDOを再承認もしくは中止します。
空港ごとの運用方式
運用されているそれぞれの空港ごとに適用時間、対象経路、CDOの要求時期が定められています。
詳しくはAIPをご確認ください。
記載されている項目については以下「参考および引用」をご覧ください。
参考および引用
国土交通省航空局 eAIP Japan https://aisjapan.mlit.go.jp/ (2023.10.13)
ENR 1.5 待機、進入および出発方式
4.3. CDO (Continuous Descent Operation)
RJBB AD 2.20 LOCAL TRAFFIC REGULATIONS
1.2.2 CDO (Continuous Descent Operation)
RJFK AD 2.20 LOCAL TRAFFIC REGULATIONS
1.2.2 CDO (Continuous Descent Operation)
ROAH AD 2.20 LOCAL TRAFFIC REGULATIONS
1.2 (6) CDO (Continuous Descent Operation)
航空保安業務処理規程第５管制業務処理規程 (2023.8.7)
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