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管制用語・フライトレベルについて

この記事は「Reverse Green」で公開されていた記事を元に作成しています。

管制用語について

航空管制で使用される用語についてはPRCに解説があります。
ここでは、その中から特に解説が必要であろうと判断したものや、PRCに記載がないものをピックアップして解説しておこうと思います。なお、フライト中特定のシーンでしか使われない言い回しについては、その都度解説します。
読み方が分からない場合はGoogle先生辺りに聞いてみましょう。管制用語と言えど元は英語ですので、読み方は原則として英語に準拠します。

Cleared/Approved

場面によってどちらが使われるかは異なりますが、パイロットの視点で考えればどちらも「管制官から許可された」ということを示します。

RJTG_CTR
RJTG_CTR

ANA79, 10 miles right of track deviation approved.
ANA79、航空路から10NM右側へのデビエーションを許可します。

RJOO_TWR
RJOO_TWR

ANA79, wind 350 at 12, RWY34R cleared for takeoff.
ANA79、風は350°から12ktです。滑走路34Rからの離陸を許可します。

Stand by

文字通り待機せよ、という意味ですが、ここで説明しておきたいのは待機を指示されたときの対応です。
Stand byと言われたときは、原則として返信してはいけません。
と言っても返信している人がかなりの割合でいるのでちょっぴり不安になるかもしれませんね。返信したい人はコールサイン等もざっくり省略して、単に「stand by.」と返信すると良いのではないでしょうか。

しかしながら、Stand by for ATC clearance.などStand by以外に何かしらの言葉が付け加えられてる時はコールサインを返信しなければいけません

~ break, ~ / ~ break break, ~

送信を途中で区切り、別の人への送信を開始する場合に間に挟む用語です。ここで注意しなければならない点が2つ。
ひとつは、自分への呼びかけが必ずしも通信の最初に来るとは限らないということです。管制官からの通信の一番最初にくるコールサインが自分のものでなかったからと油断していると、breakのあとを聞き漏らしてしまう危険があるわけです。
もうひとつは、自分への通信のあとにbreakが来た場合、こちらからの復唱は不要ということです。管制官の送信のあと、あるいはbreakのあとに呼び出されたパイロットの送信のあとに、あなたが管制官に対して復唱を行う必要はありません。
また、返信を急いでbreakを聞き逃したり、管制官がbreakと言う前に送信を開始してしまうと、管制官の通信に自分の声をかぶせてしまうことになりますので注意しましょう。(breakのあとに自分が呼び出された場合は通常通り復唱しましょう。)

ANA79
ANA79

Tokyo Control, ANA79, request climb FL370 due to turbulence.
東京コントロール、ANA79です。乱気流のためFL370への上昇を要求します。

RJTG_CTR
RJTG_CTR

ANA79, unable any higher due to traffic, break break, JAL562 descend and maintain FL200.
ANA79、関連機がいるためこれ以上の上昇は許可できません。当方はこれにより他の航空機宛の通報との区別を示します。JAL562、FL200に降下してください。

JAL562
JAL562

Descend FL200, JAL562.

Accept

受け入れるという意味の英語です。大抵は管制官から「~~出来ますか?」と質問する際に使います。

RJTT_APP
RJTT_APP

ANA79, do you accept landing RWY23?
ANA79、RWY23への着陸は可能ですか?

可能な場合の返答例
ANA79
ANA79

We accept RWY23, ANA79.
可能です。

無理な場合の返答例
ANA79
ANA79

Unable RWY23, request RWY22, ANA79.
不可能です。RWY22を要求します。

初心者のうちにはついつい、よく分からないままacceptしてしまうことがありますが、これは後々必ずと言って良いほどフライト中のトラブルの種になります。
分からない場合は質問する、または調べるために少し待って貰う、無理な場合は無理とハッキリ伝えることが重要です。

Without delay / No delay / Immediately / Expedite

どれも管制官が急いで欲しいときに使う言葉です。
パイロット側としてはどれを言われても素早く迅速に、管制官の指示を実行するようにしましょう。

RJOO_TWR
RJOO_TWR

ANA34, at C1 expedite cross RWY32R, arrival 4 miles on final.
ANA34、迅速にRWY32Rを横断してください。到着機が4NMにいます。

Expect

日本語訳すると予期する、なんて習ったかもしれません。
航空管制において重要なのは、expectのあとに伝えられる内容は単なる予定であるということです。つまり、管制官の意図をパイロットに伝えているに過ぎず、その時点では指示も許可も出していないということになります。
ここで意思疎通に齟齬があると、以降トラブルの種にもなり得ます。ですから、復唱する場合はexpectを忘れずにつけましょう。
なお、その後expect ~と伝えられた内容を指示、あるいは許可されるのが通常ですので、(まれに変更されることもありますが)伝えられた内容を実行に移す準備をしておきましょう。

RJTG_CTR
RJTG_CTR

ANA79, expect cross NAVER at FL170.
ANA79、NAVERをFL170で通過することを予定しています

Revise

訂正する、という意味です。管制を受ける上では、reviseの後に来る指示をきちんと実行すれば通常は問題ないでしょう。

RJFF_T_APP
RJFF_T_APP

JA51NY, descend and maintain 2000.
JA51NY、2000ftに降下してください。

RJFF_I_APP
RJFF_I_APP

JA51NY, revise, maintain 4000 due to traffic.
JA51NY、訂正します。関連機がいるため4000ftを維持してください。

JA51NY
JA51NY

Maintain 4000, JA51NY.

Confirm/Verify

どちらも確認する、という意味です。
管制官から言われた場合は、あなたの復唱が間違っていたか、聞き取りづらかった可能性があります。思い違いなどがないか、注意しながら管制官とコミュニケーションを取りましょう。
また、管制官からの指示等に対する自分の理解が正しいか自信がない、あるいは聞き取れなかった、もしくは許可を貰ったか忘れてしまった、等の場合は、例えば「confirm, heading 120?」などとすると、管制官もあなたが不安に思っていることを察して対応することが出来ます。

Voice cutting

英語としては間違っているものと思われますが、分かりやすいので日本では良く使われます。文字通り音声が途切れたよ、という意味です。
VATSIMサーバーやインターネット回線の調子などによっては、音声交信がところどころ途切れてまともに聞き取れないこともあります。そういった場合に voice cutting, say again please. などと使います。
ちなみに英語で正しくはyour voice is cutting out. 又は the line is breaking up.と言うそうです。

All stations/Broadcasting

これは特定の航空機への呼びかけではなく、無線を聞いている全ての航空機への呼びかけの際に使われるコールサインのようなものです。
例えば、実際の航空管制でもQNHが変わったときなどによく使われます。

RJOO_TWR
RJOO_TWR

All stations, Osaka new QNH3021. new QNH3021.
大阪タワー受信中の各局、大阪空港のQNHが3021に変わりました。

または

RJOO_TWR
RJOO_TWR

Osaka Tower broadcasting, Osaka new QNH3021. new QNH3021.

もちろんですが、この際復唱は必要ありません。(みんなで復唱したらえらいことになります。)が、通常あなたのフライトにも関係ある内容です。聞き漏らさないようにしましょう。

Station calling

無線においてstationとは無線局を指します。航空管制側及び航空機1機1機がそれぞれ1つの無線局です。つまりstation callingとは、callしてきたstationすなわち「今呼びかけてきた人」、ということになります。
例えば管制官がコールサインを聞き取れなかった場合、Station calling, say again? という感じで使われます。また、他の航空機と送信が重なってしまった場合等にも使われます。

JAL112&<br>ANA31
JAL112&
ANA31

Tokyo control, JAL112, &”#$”#%#”!&’+*?>.

RJTG_CTR
RJTG_CTR

Double transmission, first, JAL112 go ahead.
送信が重なりました。まずJAL112どうぞ。

JAL112
JAL112

Tokyo Control JAL112, FL310.

RJTG_CTR
RJTG_CTR

JAL112 Tokyo Control, roger. Another station calling go ahead.
東京コントロール了解。他に東京コントロールを呼んだ無線局、どうぞ。

ANA31
ANA31

Tokyo Control ANA31, FL280.

RJTG_CTR
RJTG_CTR

ANA31 Tokyo Control, roger.

Affirm(または affirmative)/(That’s)correct/Negative

affirmとcorrectは「その通りです。」negativeは「違います。」という意味です。(航空管制においてYesやNoは原則として使いません。)
別に難しいことは何もないのですが、特にaffirmなどは聞き馴染みがないかと思いますので、この機会に覚えておきましょう。
また、correct(その通り)とcorrection(訂正)の混同にも気をつけましょう。

フライトレベルについて

これについては少し長くなってしまうので、別枠で説明します。

さて、フライトレベルについて、なんとなく高度を示すものだということを知っている方は多いかと思います。
さらに、例えばFL140ってどれくらいの高度かと聞かれたら、14,000ftと答えられる方もそれなりにいるでしょう。
ではフライトレベルとフィートの違いはなんだと聞かれたとき、明瞭に説明出来る方は少ないのではないでしょうか。FL140=14,000ftならば、どちらかに単位を統一した方が良いのでは?そもそも本当にFL140=14,000ftなの?
使わない知識はなんとなく知っているだけでも問題ありませんが、使う、つまり実際にフライトするとなると、もう1歩踏み込んだ知識を持っている必要があります。

高度計規正値

御存知の通り高度が高くなるにつれて空気は薄くなります。つまり気圧が下がるわけです。
航空機はセンサーで自分がいる場所の気圧を測定し、高度によって気圧が異なるという性質を利用して自機の高度を計算し、その結果をパイロットに提供します。
しかしこの際、自分がいる場所の高度0mでの気圧が分からなければ、高度を計算できません。基準となる0mでの気圧からどれくらい下がったか、が高度計算の基本的な考え方だからです。

そこで高度0mの気圧を航空機に教えてあげるわけですが、その時の気圧が高度計規正値です。(高度計規正値の単位はhPa/ヘクトパスカルまたはinHg/インチを使用します。日本ではinHgです。)
そして高度計規正値にはQNH、QFE、QNEの3つがあります。
QNHは海抜0mを基準にした高度を航空機の高度計に表示させるための規正値、
QFEは飛行場の高度を0mとして、当該飛行場からの高度を航空機の高度計に表示させるための規正値です。
QFEは中国やロシアなどで使われていますが、日本では使用されていません。

そして最後のQNEですが、これは上記の2つとは異なり、正しい高度を算出するための値ではありません。
QNEは、海抜0mの気圧が標準大気圧の約1013hPa=29.92inHgであったと仮定したときの高度を表示させるための設定数値です。(つまり航空機にはQNH29.92をセットすることになります。)
したがってQNHが29.92から乖離するにつれて、QNEによる高度はどんどん正しい高度からズレていくわけです。

QNEセッティング

さて、何故こんな不正確な高度を表示させる高度計規正値が採用されているのでしょうか。答えは正しい高度を表示させる必要がないからです。
低高度では建物や山など、地上の障害物を避けて飛行しなければならないため、気象条件に左右されない絶対的な高度の情報が必要です。一方高高度で飛行しているとき、障害物となるのは通常、近くを飛んでいる他の飛行機くらいのものです。

ここで、近くを飛んでいるということは、ほぼ同じ気圧の中を飛んでいるということになります。
つまりそれぞれの飛行機が同じ高度計規正値を設定していれば、例えば同じ高度を飛行している飛行機同士の高度計に表示される高度は同じになりますし、1,000ft異なる高度を飛んでいる飛行機同士の高度計に表示される高度は、1,000ft分差がつくことになるわけです。

ということは、たとえQNHやQFEから大きく乖離した数値を設定していようとも、他機と同じ高度計規正値を使用すれば、QNHやQFEによる正しい高度を表示していないことを原因として他機に衝突する恐れはなく、地上の障害物に激突する恐れもない高高度では何も問題がないのです。
また、仮に高高度でもQNHやQFEを使用するとなると、巡航中に規正値を頻繁に変更しなければなりません。QNEを使用すれば、高高度で巡航してる間は一度も規正値を変更しなくて済みます。パイロットにとってはもちろん、規正値を通報しなければならない管制官にとってもこれはメリットです。

というわけで、高高度を飛ぶ際や、地上に障害物がほとんど無い洋上を飛行する際はQNEを使用します。その際の基準になる高度が転移高度(Transition Altitude)です。
これは国によって異なりますが、日本では14,000ftになります。洋上でQNEを使用する空域はエンルートチャートに記載されていますので、参考にして下さい。

で!ようやく本題ですが、このQNEでの高度をフライトレベルで表すのです。
したがって、例えば14,000ft=FL140というのは理解としては間違いです。(VATSIM管制官が転移高度を示すために、ATIS欄にこのように表記することはあります。)
管制官からフライトレベルで高度を指示された場合はQNE(29.92inHg)をセットして得られる高度、フライトレベルではなく単に、例えば13,000ft(ワントゥリータウザンド)を指示された場合は、(日本では)QNHをセットして得られる高度を飛行しなければならないということになります。

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