フライトプランの作成

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さて、IFRでフライトする場合、大空に飛び上がる前にまずはフライトプランを作成しなければなりません。そしてスムーズなフライトには適切なフライトプランの作成が必須です。以下でVATSIMでのプラン作成に役立つよう解説していきます。
必ず最初にPRCのルートの立て方を読むようにして下さい。
(リアルでの飛行のための解説サイトなどを参照するとより詳しく、あるいは正しく解説されていることと思います。ただしVATSIMで特別にルールを定めている場合は、それを優先させるようにして下さい。)

フライトプランの構成要素

さて、VATSIMにおけるフライトプランを構成するのは、SID・SID又はTransitionの終点FIX・エンルートと言えると思います。
滑走路を離陸したらSIDを飛び、必要があればTransitionを飛び、エンルートに合流します。
その後はエンルートチャートに記載されたルートの通り飛行し、到着空港へと向かいます。
そのエンルートの部分をフライトプランとして提出します。

SIDやTransitionはおおよそ出発する方向別に設定されているので、目的地の空港にあわせて選ぶことになります。
SIDの終点がエンルートに接続していないことも多く、その場合は必ずエンルートに合流出来るようTransitionが設定されています。

フライトプランの終点

さて、ここでひとつ解決すべき課題があります。フライトプランの終点をどこにすればいいのかという問題です。これを知るためには到着空港のSTARとIAPを調べる必要があります。
IAP(計器進入方式)は、空港のすぐそばにあるFIXあるいはVOR等から、滑走路までの飛行ルートのことです。通常どの滑走路を使うかによって変わるほか、天候や時間帯等でも使用するIAPは変わることがあります。

そしてSTAR(標準到着経路)は、エンルート上のFIXからIAP上のFIXまでの飛行ルートのことです。(空港によってはSTARをすっ飛ばしてIAPがいきなりエンルートから始まる場合もあります。)
したがって、どのSTARを選択するかは、IAPに依存することになります。まずIAPが天候などに合わせて決定され、そのIAPに到達するためのSTARを選ぶわけです。

ここまでの話で気付いたこととは思いますが、エンルート上の最終FIXは、STARの開始FIXということになります。

例外としてノンレーダー空港では、エンルートの途中にSTARの開始FIXがある場合でも、空港直上のVORまでのフライトプランを提出することがあります。

フライトプランの組み方

以上の話を簡単にまとめると、飛行機は滑走路から離陸してSID→(Transition→)エンルート→(STAR→)IAP→滑走路というような経路を通って飛行するのが基本的な形ということになります。
このうちSTARから先は到着空港の天候等によって左右されるので、STARの開始FIX到達前に管制官が決定して許可を発出してきます。(いない場合はパイロット自身で決定。)

ですので、フライトプランに記載する必要があるのは、「SID」「SID又はTransitionの終点FIX」「STARあるいはIAPの開始FIXまでのエンルート」ということになります。

FMS非搭載機でフライトする際の注意点

原則としてVORやFIXを直接繋ぐだけのルートは推奨されていません
(いい加減なフライトプランで飛んでいる人もいますが、管制官に余計な負担をかける行為でもあり、あまり褒められたものではありません。場合によってはプランの修正を求められることもあります。)
AIS Japanのエンルートチャートでいうと茶色のルート(V17等の航空路及び細い線の直行ルート)を通り、STAR(またはIAP)の始点まで繋がるフライトプランにしましょう。

ただ一方で最近はVORの廃止が進んでおり、うまくルートを繋げなかったり、非常識に遠回りをしなければならない場合もあります。
また、エンルートは基本的に就航路線に合わせて設定されていますので、現実には存在しない路線を飛ぶような場合は、どうしても無理が生じます。
そういった時には最終手段として、一部チャートを無視した直行ルートの設定も許容範囲内かと思います。(その場合、航空路からの逸脱は最小限にしましょう。)

SID・Transition・STARに関しては、RNAVを使っているものには必ずチャートの右上にその旨が記載されていますので、それ以外を使いましょう。
もし管制官からRNAVが必要なルートを指示された場合は、RNAVが使えない旨を報告し、出来れば使用可能な代替案をリクエストしましょう。

レーダーベクターについて

SIDを使わずレーダーベクターにより出発することも一応認められていますが、その際フライトプランの最初のVORやFIXに自力で直行出来なければいけないことを忘れないで下さい。なお管制官がいない場合は、他機や障害物に異常接近しないよう、自分で適切な経路を選定しなければならないことに留意してください。
また、到着についてもレーダーベクターの利用が可能ですが、その場合でもフライトプランはSTAR(又はIAP)の開始FIXまで記載し、その通りに飛ぶべきです。
予め設定されたポイント以外からの空港への進入は、空域の制限や最終進入コースを無視したものになりやすく、レーダーベクターそのものの手間や難易度を上げることに繋がります。トラフィックが多い場合は交通の流れを乱す原因にもなります。
さらに、ファイナルアプローチコースへのレーダーベクターは管制官への負荷が高いため、ミスされやすいことも知っておいてください。特にひっきりなしに無線が飛び交ってる中でコントロール管制官からレーダーベクターを受けるのは、避けたほうが懸命です。

フライトシミュレーター上の無線施設・FIXの更新

デフォルトのVORなど無線航法施設やFIXはあまりにもデータが古く、オンラインで飛ぶにあたっては1つの大きな障害と言えるレベルです。
たとえ自分が昔のチャートを持っていて、それに従い正しいフライトプランを組んでいたとしても、管制官はそのチャートを見ることが出来ません。管制するにあたってはチャート記載の情報が必須ですから、結局レーダーベクターになってあなたの苦労も気遣いも水の泡、ということになってしまいます。
しかしこちらのサイトから、FSのVORやNDB、FIXの最新データを無料で入手出来ます。
上部のメニューのNavdataを選択し、無線航法施設のデータはFS9 update又はFSX/P3D updateから、FIXのデータはFixes updatesからダウンロード出来ます。インストール方法も簡単ですのでVATSIMでフライトする際には是非導入して下さい。
そうすれば古いチャートを大事に手元に置いておかずとも最新のチャートを用意するだけで済みますし、管制官の助けにもなります。

AIRAC1908の改正で東京国際空港・成田国際空港周辺では航空路含めSID/STAR等の大改正が行われました。
FMS搭載機でフライトをされる方はNavigraph等でNavdataを更新することを強くおすすめします。

とりあえず自分でプランを組んでみる

さて、なにも知らない状態から説明を読んでも、なかなか分かりづらいかもしれません。そういう場合でも、ひとまず実際にチャートを見てルートを設定してみましょう。
出発空港と到着空港を設定(実際に航空会社が定期便を運行している空港が良いでしょう。)して、その空港のチャートとエンルートチャートを用意して下さい。そしてあれこれ見ながら一度ルートを作ってみて下さい。
その際AIS JAPANに記載されている推奨ルートを参考にすると楽になるでしょう。AIPのページの左上にあるタブのうちAICsをクリックして、Change of Flight Planned Routes(ブラウザのページ内検索を活用して下さい。)をクリックするとでてきます。

そして実際にフライトシミュレーターで飛行し、確実に飛べるよう練習して下さい

管制官向けの記事ではありますが、こちらの記事もぜひご覧下さい。

ルート自動生成プログラムの利用について

PFPXやSim brief等発着空港を指定するだけでルートを自動的に作成してくれるプログラムもあるようです。こういったものを使用するのは全く問題ありませんが、必ず生成されたルートが適切か確認して下さい。
たまにものすごく遠回りをしていたり、意味不明なルートが記載されたフライトプランが提出されることがあります。

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