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着陸
いよいよフライトの締めくくり、着陸です。出発時と違い、滑走路手前で着陸機が待たされるということはまずありませんから、無線交信に関してはそれほど神経質になる必要はないでしょう。
ただし、自分の他にも到着機がいる場合は、速度に注意が必要です。前方機に近づきすぎればゴーアラウンドする羽目になりますし、後方に他機がいる場合、不必要にスピードを落とすと迷惑をかけてしまう可能性があります。
前方機に接近してしまう場合は後方機がいても減速せざるを得ませんが、そうでないときは、速度が落ちすぎないように気をつけましょう。(もちろん無理に早く飛ぶ必要はありません。)
タワー管制官とのイニシャルコンタクトの際は、IAP上の次のFIXを基準にポジションをリポートするとスムーズです。また、滑走路が複数同時に使用されている場合は、着陸滑走路についても報告すると良いでしょう。アプローチタイプ(どのIAPを使用しているか)については通常報告しなくても問題ありません。
着陸中でも必ず交信出来る状態を保つ
さて、多くの人は最後、オートパイロットを切り手動で着陸することかと思います。
もちろんそれ自体は何も問題ないのですが、例えマニュアル操縦中であっても、必ず交信できるようにしておいてください。具体的にはジョイスティックやフライトヨークなどから手を離さずにPTTキーを押せるようにしておきましょう。
管制官からは、それぞれのパイロットがいつオートパイロットを切っているかなんて知りようがありません。そしてなるべくファイナルでは交信しないようにしますが、どうしても必要な場合もあります。もっと言うと、ファイナルアプローチで交信が必要になる場合はゴーアラウンドなどで他機と接近していることが多く、ある程度素早い応答が求められます。
まずはPTTキーを押しやすいところに設定し、ファイナルアプローチ中も操縦に気を取られすぎないように努めてください。
着陸後
無事に着陸したら、なにも指示がなくても速やかに取付誘導路へ離脱しましょう。取付誘導路までは地上走行の許可がなくても進入出来ると思って問題ありません。その先は許可を得てください。
また、駐機場までタクシーする途中滑走路を横断しなければいけないときは、出発時同様必ず許可を得てください。
なお高速脱出誘導路(直角ではなく斜めに滑走路と接続されている取付誘導路)を利用する場合は、概ね50~60kt以下であれば滑走路から離脱して誘導路に入ることが出来ます。誘導路に入りながら徐々に30kt以下まで速度を落としていく必要はありますが、後ろのトラフィックや出発待ちのトラフィックのためにも、必要以上に速度を落とさず離脱しましょう。
特に、自分が入る取付誘導路までの距離が長い場合、60-80kt程度で減速をやめ、滑走路上では速やかに地上走行する必要があります。
着陸後の地上走行の際、誘導路を指定されても対応できるよう到着空港のグランドチャートを用意しておくのを忘れずに。
ファイナルアプローチ中に使われる用語解説
Preceding/Succeeding traffic
Preceding trafficが前方機、Succeeding trafficが後方機です。
通常「Preceding traffic 6NM ahead.」や「Succeeding traffic 7NM behind of you.」等と距離の情報が付与されたり「Preceding traffic landing roll.(前方機は着陸滑走中です。)」等の情報提供に使用されます。
距離の情報提供がなされた場合は、大抵「速度良い感じに調節してね。」という意味が含まれますので、必要に応じて調節しましょう。5NM以下は近すぎるので、なるべく7NM程度は間隔を開けましょう。
Reduce to minimum approach speed
Minimum approach speedとは、フラップを着陸位置まで下ろした状態で安全に飛行出来る最も遅い速度(だいたいの場合は着陸する際の速度)です。前方機に近づきすぎている、あるいは速度差がありすぎる場合等に指示されます。
Expedite vacate Runway
直ちに滑走路から離脱せよという指示です。この場合すぐ後ろに到着機が迫っていますので、とっとと離脱しないと着陸復行の原因になってしまいます。(もっとも後続機の速度が速すぎてどうしようも無い場合もありますが・・・。)
着陸交信例

Chitose Tower, ANA79, approaching WHITE, 19R.
千歳タワー、ANA79です。WHITEの手前です。着陸滑走路はRWY19Rです。

ANA79, Chitose Tower, RWY19R continue approach, wind 220 at 6. You’re No.2.
ANA79、千歳タワーです。RWY19Rへの進入を続けてください。風は220°から6ktです。あなたは2番目です。

RWY19R continue approach, ANA79.
そのまま最終進入を続けます。

ANA79, preceding traffic just vacated runway. RWY19R cleared to land, wind 210 at 8.
ANA79、前方機が今滑走路から離脱しました。RWY19R着陸支障ありません。風は210°から8ktです。

RWY19R cleared to land, ANA79.
着陸許可が出ました。
その後は何もなく無事にタッチダウンし、減速中です。

ANA79, keep rolling turn right at A8. Expedite vacate runway, next arrival 3NM on final.
ANA79、そのまま着陸滑走を続け、速度を落とさずにA8で右に曲がり、速やかに滑走路から離脱してください。次の到着機が3NM手前まで来ています。

Turn right at A8, expedite vacate runway, ANA79.
速やかにA8から離脱します。

ANA79, Thank you for your cooperation. Contact Chitose Ground 121.6.
ANA79、ご協力ありがとうございました。千歳グランドに121.6でコンタクトしてください。

Contact Ground 121.6. You’re welcome, ANA79.
地上走行・スポットイン
フライトお疲れ様でした。トランスポンダをMode Standbyにして、スポットまでタクシーしましょう。誘導路を指定される場合もありますので、最後まで気を抜かないように。
スポットについたら、管制官に挨拶をしてから切断すると良いでしょう。忙しそうなときはテキスト交信やプライベートメッセージを活用してください。
これでVATSIMでのIFRフライトは終了です。成功を祈っています!
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