【重要】記事の内容に関する訂正とお詫び

高度制限・公示された速度

Student3

2016年にPANS-ATMの高度制限に係る部分の改正が行われ、日本でも管制方式基準の改正が行われました。それに伴い、VATJPN管制方式基準もこれに準拠しました。
導入から4年近く経ちますが、なんとなく分かっているけど・・・という方が多く、S3を取るにあたって壁になっていると思います。
そんな高度制限と公示された速度についてまとめてみました。

公示された高度制限と管制官による高度制限

高度制限(Altitude restriction)
特定フィックス又は特定時刻において通過すべき高度について公示されたもの又は管制官が航空機に指示したものをいう。

VATJPN管制方式基準(Ⅰ)総則2a定義(1)

高度制限と言えば、SIDやSTARの高度制限を思い浮かべる方が多いかとは思いますが、「Descend to reach [Alt] by [FIX].」など管制官が指示したものも高度制限なのです。

ここでは便宜上以下のように分けて話を進めていきます。

  • 公示された高度制限
    SID、STARに公示された高度制限
  • 管制官による高度制限
    「Climb/Descend to reach [Alt] by [FIX].」、「Cross [FIX] at (or above/below) [Alt].」によって指示された高度制限

高度制限を有効にする時、無効にする時

(10)に規定する場合を除き、飛行中において、あらためて高度(現在指定されている高度を含む。)を指定する場合又はフィックスへの直行を含め飛行経路を変更する場合は、必要な高度制限についてあらためて指示するものとする。
Phraseology: (CLIMB/DESCEND AND)MAINTAIN [altitude], COMPLY WITH RESTRICTIONS.
Phraseology: RECLEARED DIRECT [fix], COMPLY WITH RESTRICTIONS.

VATJPN管制方式基準(Ⅱ)計器飛行管制方式1管制承認等(9)c.

飛行中において、あらためて高度(現在指定されている高度を含む。)を指定する場合又はフィックスへの直行を含め飛行経路を変更する場合であって、公示されたSID、トランジション又はSTARの高度制限又は速度に従って飛行するよう指示するときは、次の用語により指示するものとする。
(a)SID又はトランジションの高度制限又は速度に従って上昇させる場合
Phraseology: CLIMB VIA SID TO [altitude].
(b)STARの高度制限又は速度に従って降下させる場合
Phraseology: DESCEND VIA STAR TO [altitude].

VATJPN管制方式基準(Ⅱ)計器飛行管制方式1管制承認等(10)

「Descend via STAR」を指示した場合や降下指示に特定FIXの通過高度が含まれる場合は、降下のタイミングはパイロットの判断に任されます。

これらの規定から分かるように、飛行中に以下の指示があった場合は、改めて指示しない限り高度制限はすべて無効となります。
・「(Climb/Descend and)maintain [Alt].」の用語を用いて高度を指示した場合
・FIXへの直行など飛行経路を変更する場合(「Recleared direct [FIX].」、「Resume own navigation direct [FIX].」等)

飛行中において、あらためて高度を指定(“CLIMB”、“DESCEND”又は“MAINTAIN”の用語を使用)する場合又は、フィックスへの直行を含め飛行経路を変更する場合は、高度制限について指示しない限りすべて無効となる。

VATJPN管制方式基準(Ⅱ)計器飛行管制方式1管制承認等(9)c.

この基本的な考え方は、後述の例すべてで共通です。

ここで知っていただきたいのは、高度制限の種類によって高度制限の有効性を通報する際に使用する用語が異なるという点です。

  • [Climb via SID/Descend via STAR] to [Alt].
    SID、Transition又はSTARに公示された高度制限及び速度を有効にする
  • Comply with restrictions.
    管制官による高度制限を有効にする

また規定上明確には示されてませんが、「[Climb via SID/Descend via STAR] to [Alt].」と「Comply with restrictions.」を併用することはできません

余談ですが、高度制限解除の規定は飛行中においてのみ適用されます。したがって、地上で「(Climb and )maintain [Alt].」と指示したときは高度制限は解除されないのです。

「Climb via SID to [Alt].」のSIDの発音は「シッド」が標準ですが、「エス・アイ・ディー」と発音しても問題ありません。

交信例

高度制限に関する考え方は先に述べた通りですので、ここからはVATSIMで使われそうなシチュエーションごとに解説していきます。
なおこの先、「指定高度(Assigned altitude)」という言葉をが出てきますが、これは「(Climb/Descend and)maintain [Alt].」などで指示した航空機が維持すべき高度のことを言います。

指定高度より低いSID・Transitionに公示された高度制限を有効にするとき

eAIP JAPAN RJCC AD 2.24  CHARTS RELATED TO AN AERODROME/ Standard Departure Chart- Instrument (TOBBY)

新千歳空港のRWY19からの離陸時、到着機との垂直間隔を維持するためにTOBBY EIGHT DEPARTUREにはCHE 27DMEを11000ft or belowで通過する高度制限が公示されています。
クリアランス発出時に指示した指定高度はFL200です。
先述の高度制限を有効にしたまま、FL200への上昇を指示するには次のように指示します。

RJCC_DEP
RJCC_DEP

ANA52, climb via SID to FL200.

なお、出発機がディパーチャーへの高度報告の時に指定高度の通報を行った場合で、その指定高度を変更する必要がなく、SID・Transitionに公示された高度制限を有効としたい場合では「Radar contact」とだけ通報するだけで構いません。

ANA52
ANA52

Chitose Departure, ANA52, leaving 1300 for FL200.

RJCC_DEP
RJCC_DEP

ANA52, Chitose Departure, radar contact.

ANA52
ANA52

ANA52.

SID・Transitionに公示された高度制限及び速度がないときや、高度制限よりも低い高度を一時的に指定するとき

eAIP JAPAN RJBE AD 2.24  CHARTS RELATED TO AN AERODROME/ Standard Departure Chart – Instrument (KOBE)
eAIP JAPAN RJBE AD 2.24  CHARTS RELATED TO AN AERODROME/ Standard Departure Chart – Instrument (RNAV TRANSITION2)

KOBE THREE DEPARTUREとSHTLE TRANSITIONを経由する際、STEELに6000ft or aboveの高度制限があります。
神戸空港からのRWY27離陸時、クリアランスでは指定高度として通常3000ftを指示されます。離陸後、当該機に5000ftへの上昇を指示したい場合、5000ftまでに守らせる高度制限が存在しないので「Climb via SID to 5000.」と指示することはできません
この場合は次のように指示することになります。

RJBB_DEP
RJBB_DEP

SKY104, climb and maintain 5000.

SID/トランジッションに高度制限若しくは速度が公示されていない場合、又は以降の飛行経路上に高度制限若しくは速度がない場合には、「CLIMB AND MAINTAIN [altitude].」の用語が使用される。

注: AIP ENR 1.5.1.3.7.1参照

eAIP JAPAN ENR 1.5-21 3.1.5

この場合、「Climb and maintain」の指示をした時点でSTEELに公示された高度制限は一旦無効になりますが、6000ft以上への上昇を指示する際に再び有効とすることができます。

RJBB_DEP
RJBB_DEP

SKY104, climb via SID to FL180.

レーダー誘導の終了時にSID・Transitionに公示された高度制限を有効にするとき

eAIP JAPAN RJTT AD 2.24  CHARTS RELATED TO AN AERODROME/ Standard Departure Chart – Instrument (LAXAS-RNAV)

地上でのクリアランス発出時に指示した指定高度はFL200で、RWY05からの離陸後IMOLAへのレーダー誘導をする場合を考えます。

RJTT_TWR
RJTT_TWR

ANA17, turn right heading 120. Wind 060 at 7, RWY05 cleared for takeoff.

離陸後

ANA17
ANA17

Tokyo Departure, ANA17, leaving 1700 for FL200. Heading 120.

RJTT_DEP
RJTT_DEP

ANA17, Tokyo Departure, radar contact. Turn right heading 200 vector to IMOLA. Maintain FL200.

このあとIMOLAへの直行を指示してレーダー誘導を終了する場合、必要な高度制限について改めて指示する必要があります。

誘導を終了したのち必要な高度制限又は速度について、(Ⅱ)1(9)a 又は (10)の規定によりあらためて指示するものとする。
Example: Resume own navigation direct AKAGI, cross AKAGI at FL190.
Example: Resume own navigation direct KAMAT, climb via SID to FL180.

VATJPN管制方式基準(Ⅳ)レーダー使用基準4レーダー誘導(6)誘導の終了c.

IMOLAへの直行後IMOLA以降の公示された高度制限、つまりIMOLAとLAXASに公示された高度制限を有効にしたい場合は、次のように指示をしてレーダー誘導を終了します。

RJTT_DEP
RJTT_DEP

ANA17, resume own navigation direct IMOLA. Climb via SID to FL200.

この場合、LOCUPやTAURAの通過しないFIXの高度制限は有効にはなりません。

SID/トランジッション上のフィックスへの直行を指示された場合、当該フィックス以降の公示された全ての高度制限又は速度は、「Climb via SID」の指示によって有効になり、直行によって通過しないフィックスに関連する高度制限又は速度は無効である。

注: AIP ENR 1.5.1.3.7.2 参照

eAIP JAPAN ENR 1.5-21 3.1.4

SID・Transition上のFIXへの直行時に公示された高度制限を有効とするとき

eAIP JAPAN RJOO AD 2.24  CHARTS RELATED TO AN AERODROME/ Standard Departure Chart – Instrument (ASUKA)

伊丹空港からの出発機の場合を考えます。
クリアランスでは指定高度としてFL160を指定しました。
RWY32Lから離陸しレーダー識別を取った後ASUKAへの直行を指示する際に、ASUKAの5000 or aboveの高度制限を有効にしたい場合は次のように指示します。

RJBB_DEP
RJBB_DEP

ANA34, recleared direct ASUKA. Climb via SID to FL160.

At assigned altitudeの高度制限があるSID・Transition

eAIP RJCK AD 2.24  CHARTS RELATED TO AN AERODROME/ Standard Departure Chart – Instrument (ALICE, ERIMO, OBIHIRO, KUSHIRO REVERSAL, YUDOH, EATAK)

釧路空港のEATAK ONE DEPARTUREのEATAKにはat assigned altitude.という高度制限があります。これは指定高度が高度制限になります。
例えば、クリアランス発出時に「Maintain 8000.」と指示を出せばEATAK at 8000ft の高度制限になります。

At assigned altitudeの制限をそのまま有効とするとき

クリアランス発出時の指定高度は8000ftだとします。
離陸後、札幌コントロールにハンドオフされEATAK at 8000ftの高度制限を有効にするためには次のように指示をします。

RJCG_CTR
RJCG_CTR

JAL2862, climb via SID to 8000.

EATAK at 8000ftの制限を有効としたままそれ以上の高度への上昇を指示したい場合は「Climb via SID」とは指示できません。
というのも、例えば

RJCG_CTR
RJCG_CTR

JAL2862, climb via SID to FL160.

と指示を出してしまうと、指定高度が8000ftからFL160に変更されます。それに伴いEATAK at 8000ftの高度制限からEATAK at FL160の高度制限に変更されてしまうのです。

したがって、この場合は公示された高度制限を管制官による高度制限に書き換えることになります。

RJCG_CTR
RJCG_CTR

JAL2862, climb and maintain FL160, cross EATAK at 8000.

At assigned altitudeの制限を管制官による高度制限に変更し、それを有効とするとき

例えば、クリアランス発出時に航空機側からEATAKの通過高度についてリクエストがあり、以下のようなクリアランスを発出したとします。

RJCK_TWR
RJCK_TWR

JAL2862, cleared to Sapporo Airport via EATAK ONE DEPARTURE flight planned route. Maintain FL160. Cross EATAK at or above 8000. Squawk 1734.

この場合、EATAK at FL160の高度制限がEATAK at or above 8000ftの管制官による高度制限に変更されています。

レーダー識別後EATAKへの直行許可を出す場合で、EATAKの管制官による高度制限を有効にしたい場合は次のように指示を出します。

RJCG_CTR
RJCG_CTR

JAL2862, recleared direct EATAK. Comply with restrictions.

SID・Transitionに公示されたat specified altitudeの制限を有効とするとき

本チャートはSquawk.IDが独自に作成した架空のものであり、国交省航空局が作成したものではありません。

このチャートは解説用にSquawk.IDが作成した架空のものです。

最近日本の空港では見られなくなってきているようですが、未だに残っている空港はあるので紹介しておきます。

上のチャートは架空のチャートですが、CCEにat specified altitudeという高度制限が公示されています。
このspecified altitudeというのは管制官による高度制限によって指示される高度のことです。クリアランスの発出例としては次のようになります。

RJTM_DEL
RJTM_DEL

JAL9FQ, cleared to Tokyo Airport via CHICHIJIMA REVERSAL THREE DEPARTURE flight planned route. Maintain FL150. Cross CCE at 6000. Squawk 4702.

離陸後、CCEのat specified altitudeの高度制限を有効にしたうえで、FL200への上昇を指示する場合は次のようになります。

RJTM_DEP
RJTM_DEP

JAL9FQ, climb via SID to FL200.

クリアランス時には「Cross CCE at 6000」という管制官による高度制限を用いましたが、この制限は自動的にSIDに公示された高度制限に変更されます。
したがって「Climb via SID」を用いることができるのです。

一般的にspecified altitudeの高度制限がある場合は管制官が通過高度を指示しますが、通過高度の指示がない場合、パイロットは任意の高度で通過することができます。

at assigned or specified altitudeの高度制限があるSID・Transition

本チャートはSquawk.IDが独自に作成した架空のものであり、国交省航空局が作成したものではありません。

このチャートは解説用にSquawk.IDが作成した架空のものです。

またまた架空のチャートでの解説になりますが、先述したat assigned altitudeとat specified altitudeを組み合わせた、at assigned or specified altitudeという高度制限も実在します。

この制限は、管制官が航空機に当該FIXの通過高度を指示すればその通過高度が高度制限となりますが、特に指示をしなければ指定高度が高度制限になります。

この場合の高度制限を有効にする場合の交信例は、先の2例と同じですので省略します。

SID・Transitionに公示された高度制限を地上で無効にするとき

今までの例はすべて上空で高度制限を有効にする場合でしたが、ここで地上で高度制限を無効にする場合を紹介します。
初めの紹介であったように、航空機に高度の再指示を行った場合高度制限に改めて指示をしなければすべて無効という考え方はあくまで飛行中においてのみ有効です。
したがって、地上で高度制限を解除する場合「(Climb and)maintain [Alt].」を指示しても高度制限は無効になりません

eAIP JAPAN RJNK AD 2.24  CHARTS RELATED TO AN AERODROME/ Standard Departure Chart – Instrument (NOTO, MIYAZU, KOMATSU, KAGA)
公示された高度制限のすべてを無効にするとき

上のNOTO TWO DEPARTUREにはKMC R016/10.0DMEに7000ft or belowという高度制限とNTE R244/15.0 DMEにat assigned altitudeという高度制限が公示されています。
地上でこれら2つの高度制限を解除し、9000ftまでの上昇を指示する場合は次のように指示します。

RJNK_TWR
RJNK_TWR

JA51NY, altitude restrictions cancelled. Climb and maintain 9000.

なお、高度の再指定を行う必要がない場合には「Altitude restrictions cancelled.」の通報だけで構いません。

b.高度制限を変更する場合は、以下の方法により行うものとする。
(a)すべての高度制限を無効とする旨を通報する。
 Phraseology: ALTITUDE RESTRICTIONS CANCELLED.

VATJPN管制方式基準(Ⅱ)計器飛行管制方式1管制承認等(9)高度制限
公示された高度制限の一部を無効にする場合

公示された高度制限の一部のみを解除することもできます。
たとえば、NOTO TWO DEPARTUREのCross KMC R016/10.0DME at or below 7000ftの高度制限のみを解除したい場合は、次のように指示します。

RJNK_TWR
RJNK_TWR

JA51NY, 7000 or below restriction cancelled, rest of restrictions unchanged.

b.高度制限を変更する場合は、以下の方法により行うものとする。
(b)無効となる高度制限を通報し、その他の高度制限に変更がない旨を通報 する。
Phraseology: 〔altitude or fix〕 RESTRICTION CANCELLED, REST OF RESTRICTIONS UNCHANGED.

VATJPN管制方式基準(Ⅱ)計器飛行管制方式1管制承認等(9)高度制限

STARに公示された高度制限によってMEAが担保されるとき

eAIP RJCH AD 2.24  CHARTS RELATED TO AN AERODROME/ Standard Arrival Chart-Instrument (EMINA-RNAV)

函館空港のEMINA ARRIVALの開始点であるHIBARの手前、Y113を飛行中の航空機に対してEMINA ARRIVALの承認とSTARに公示された高度制限に従い4000ftまでの降下指示を指示する場合を考えます。

当該機が飛行中のY113のMEAは下に示すように6000ftです。

eAIP JAPAN ENR 3.3  RNAV ROUTES

基本的に航空路を飛行中の航空機に対してはMEAを下回る高度への降下を指示することはできません

航空機に対して、高度を指定する場合は、原則として以下の方法により行うものとする。
a.管轄セクター又はターミナル管制所の管轄区域内に適用される次の高度を指定するものとする。
(a)当該機の飛行経路に係る最低経路高度、最低通過高度及び最低受信可能高度(以下「最低経路高度等」という。)以上の高度を指定するものとする

VATJPN管制方式基準(Ⅱ)計器飛行管制方式1管制承認等(8)高度の指定

ですから4000ftまでの降下指示を出すことはできないのでは?と思われる方がいらっしゃるでしょう。
しかし、EMINA ARRIVALのHIBARには6000ft or aboveの高度制限が公示されています。この制限を有効にすればY113のMEAである6000ftが担保されるため4000ftへの降下を指示することができます。

したがって次のような指示を出すことができます。

RJCW_APP
RJCW_APP

ADO57, cleared via EMINA ARRIVAL. Descend via STAR to 4000.

STARに公示された高度制限によってMEAが担保されない場合、航空路を飛行中の航空機に対してMEA未満への降下指示を出すことはできません。この場合に、当該機に対してMEA未満への降下を指示する際は、STAR上のFIXにMEAが担保されるような管制官による高度制限を追加する必要があります。

余談ですが、STARの承認の際、指定高度を変更する必要がない場合でも指定高度について言及する必要があります

管制区管制所等が到着機に対し進入フィックス等までの管制承認を発出する場合は、次に掲げる事項を含むものとする。ただし、進入許可の発出と同時に当該計器進入方式に接続するSTARを承認する場合は、(7)b(a)によるものとする。
(a) 進入フィックス等の名称(ただし、(b)によりSTARを承認することにより進入フィックスが特定できる場合は、省略することができる。)
(b) 進入フィックス等までの飛行経路
(c) 高度
(d) その他必要な事項

VATJPN管制方式基準(Ⅱ)計器飛行管制方式7到着機(2)進入フィックスへの承認

STARの承認に際し、高度を省略できるとは規定には書かれていないのです。

STARに公示された高度制限及び速度がないときや、高度制限よりも高い高度を一時的に指定するとき

eAIP RJBE AD 2.24  CHARTS RELATED TO AN AERODROME/ Standard Arrival Chart – Instrument (HANSHIN NORTH, SOUTH,WEST-RNAV)

HANSHIN SOUTH ARRIVALの飛行中の航空機に対してKAKEF通過後、4000ftへの降下を指示する場合を考えます。
この場合、KAKEFからSIOJIまでの間に4000ftより高い高度制限は存在しません。したがって当該機に対して守らせる高度制限が存在しないため「Descend via STAR to 4000.」と指示することはできません

この場合、当該機への指示は次のようになります。

RJBB_APP
RJBB_APP

SKY590, descend and maintain 4000.

STARに高度制限若しくは速度が公示されていない場合、又は以降の飛行経路上に高度制限若しくは速度がない場合には、「DESCEND AND MAINTAIN [altitude].」の用語が使用される。

注: AIP ENR 1.5.1.3.7.1参照

eAIP JAPAN ENR 1.5-17 2.1.6

先のSID・Transitionに公示された高度制限よりも低い高度を指定高度として指示するときと同様に、上記の指示を出した時点でSIOJI at or above 3000ftの高度制限は一旦無効と解釈できます。
しかし、この後3000ftへの降下を指示する際にこの制限を有効にすることができます。

RJBB_APP
RJBB_APP

SKY590, descend via STAR to 3000.

KAKEF通過前であれば「Descend via STAR」を使用することでKAKEFの高度制限を有効にすることができます。

管制官による高度制限を有効にし、その高度制限よりも低い高度を指定するとき

eAIP JAPAN/ AIview

例えばY544を飛行中の航空機に対して、東京コントロールが次のような指示を出しました。

RJTG_CTR
RJTG_CTR

ANA93, descend to reach FL180 by SINGU.

この後、関西アプローチに移管され、SINGUより手前を飛行中の当該機に対して10000ftへの降下指示を出す際に、このSINGU at FL180の高度制限を有効にしたい場合の指示は以下のようになります。

RJBB_APP
RJBB_APP

ANA93, descend and maintain 10000. Comply with restrictions.

もしくは

RJBB_APP
RJBB_APP

ANA93, descend and maintain 10000. Cross SINGU at FL180.

STAR上のFIXへの直行時にSTARに公示された高度制限を有効にするとき

eAIP JAPAN RJBB AD 2.24  CHARTS RELATED TO AN AERODROME/ Standard Arrival Chart – Instrument (ALISA, BECKY, CANDY-RNAV)

ALISA CHARLIE ARRIVALを経由する航空機に対して、ALISA通過後AWAJIへの直行許可及びSTARに公示された高度制限を有効にして4000ftまでの降下を指示する場合は次のように指示します。

RJBB_APP
RJBB_APP

AAR118, recleared direct AWAJI. Descend via STAR to 4000.

STAR上のフィックスへの直行を指示された場合、当該フィックス以降の公示された全ての高度制限又は速度は、「Descend via STAR」の指示によって有効になり、直行によって通過しないフィックスに関連する高度制限又は速度は無効である。

注: AIP ENR 1.5.1.3.7.2 参照

eAIP JAPAN ENR 1.5-17 2.1.5

レーダー誘導終了時に高度制限を有効にする場合も同様です。

「STARより手前のFIXの管制官による高度制限」と「STARに公示された高度制限」の両方を有効にするとき

eAIP JAPAN/ AIview

Y20を飛行中の航空機に対して、福岡コントロールの管制官が次のような降下指示を出しました。

RJDG_CTR
RJDG_CTR

SFJ41, descend to reach FL170 by STOUT.

eAIP JAPAN RJFF AD 2.24  CHARTS RELATED TO AN AERODROME/ Standard Arrival Chart – Instrument (MALTS-E/W/S-RNAV)

その後福岡アプローチに移管され、MALTS EAST ARRIVALの承認と公示された高度制限を有効にし2000ftまでの降下を指示する場合は次のように指示します。

RJFF_APP
RJFF_APP

SFJ41, cleared via MALTS EAST ARRIVAL. Descend via STAR to 2000. Cross STOUT at FL170.

初めにもあった通り、Descend via STAR」と「Comply with restrictions」を併用することはできません
したがって、STOUT at FL170の高度制限について改めて言及する必要があります。

Y20のSTOUTーKIRIN間のMEAは12000ftですが、KIRIN at or above 12000の高度制限を有効にすることによってMEAが担保されるため、2000ftへの降下を指示することができます。

STARに公示された高度制限の一部を管制官による高度制限に変更し、以降は公示された高度制限を有効にするとき

長崎空港の到着機に対して、福岡コントロールは次のような降下指示を出しました。

RJDG_CTR
RJDG_CTR

JAL2375, descend to reach 11000 by OHGIE.

その後長崎レーダーに移管され、レーダーの管制官はFUBUKI ARRIVALの承認及び先のOHGIE at 11000ftの高度制限を有効にし、その後は公示された高度制限及び速度に従って2600ftへの降下を指示したいとします。

eAIP JAPAN RJFU AD 2.24  CHARTS RELATED TO AN AERODROME/ Standard Arrival Chart – Instrument (RNAV)

この場合、STARに公示されたOHGIE at or above 11000ftという高度制限が管制官によるOHGIE at 11000ftという高度制限に変更されていますが

RJFU_APP
RJFU_APP

JAL2375, cleared via FUBUKI ARRIVAL. Descend via STAR to 2600.

と指示してしまうとOHGIE at or above 11000ftになってしまいます。
これは「Descend via STAR」の用語が公示された高度制限及び速度のみに言及する用語であるためです。

OHGIE at or above 11000ftにする場合はその旨CTRと調整する必要があります。

OHGIE at 11000ftを守らせるためには、次のような言い回しにする必要があります。

RJFU_APP
RJFU_APP

JAL2375, cleared via FUBUKI ARRIVAL. Descend and maintain 2600, cross OHGIE at 11000, rest of restrictions unchanged.

ここで「Descend via STAR」という用語を用いて指示を出していないのだから、OBAMA及びAINOHに公示された速度は無効となるのでは?と思われる方がいらっしゃるかもしれません。

b.高度制限を変更する場合は、以下の方法により行うものとする。
(c) 追加又は変更となる高度制限を指示し、その他の高度制限について通報する。
Phraseology: 〔additional / amended altitude restriction〕 , REST OF RESTRICTIONS UNCHANGED / CANCELLED.

VATJPN管制方式基準(Ⅱ)計器飛行管制方式1管制承認等(9)高度制限

確かに規定上は公示された速度については何も言及されていません。
しかし、AIPには「Descend via STAR」の用語を用いた指示がない場合でも、公示された速度については別途指示がない限り遵守するものと明記されているのです。

「Descend via STAR」の指示に関わらず、速度が公示されたSTARを承認された場合は、管制機関から別途速度の指示がない限り公示された速度に従わなければならない

eAIP JAPAN ENR 1.5-17 2.1.3注

詳細は後述しますが、公示された速度は一部の例外を除いてRNAV1経路からの逸脱の防止を目的に設定されているためです。

ただし、VATSIMにおいては上記の長い指示の出し方やAIPの公示された速度に関する規定を知っている方がどこまでいらっしゃるかは未知数なので、次のように分けて指示を出すことを強くお勧めします。

RJFU_APP
RJFU_APP

JAL2375, cleared via FUBUKI ARRIVAL. Descend to reach 11000 by OHGIE.

OHGIE通過後

RJFU_APP
RJFU_APP

JAL2375, descend via STAR to 2600.

なお、この例では「Descend to reach」の用語を2回用いています。
指示の繰り返しを避けるために「Descend and maintain 11000, comply with restrictions」など別の用語を使うほうがいいのでは?と思われるかもしれません。
指示の意味としては全く同じですが、交信量をなるべく減らすという観点から、本記事の交信例においては「Descend to reach」の用語を再度用いています。

また「Descend at pilot’s discretion maintain 11000, comply with restrictions.」と指示した場合には、航空機に対して降下中の一時的な水平飛行が許可されます。

高度変更に係るクリアランスで上昇/降下の開始時期、上昇/降下率の調整が操縦士に任せられるときは、「パイロット判断で(AT PILOT’S DISCRETION)」の語が使われる。この場合、上昇/降下中の一時的な水平飛行はできるが、離脱高度又は通過高度への上昇/降下はできない。

eAIP JAPAN ENR 1.5-4 1.3.8

この場合の一時的な水平飛行は、航空法施行規則第179条第1項の速度制限を守るために認められている11000ftから10000ftでの一時的な水平飛行とは異なります。

STAR上のFIXに管制官による高度制限を追加し、さらに公示された高度制限を有効にするとき

eAIP JAPAN RJBB AD 2.24  CHARTS RELATED TO AN AERODROME/ Standard Arrival Chart – Instrument (DANDE-RNAV)

関西アプローチの管制官はDANDEに次のような高度制限を指示しました。

RJBB_APP
RJBB_APP

ANA93, descend to reach 10000 by DANDE.

その後、DANDE ALFA ARRIVALの承認とDANDE at 10000ftの制限を有効にしたうえで、STARに公示された高度制限に従い4000ftまで降下させる場合には、先の例と同じように指示します。

RJBB_APP
RJBB_APP

ANA93, cleared via DANDE ALFA ARRIVAL. Descend and maintain 4000, cross DANDE at 10000, rest of restrictions unchanged.

この場合、STARにはDANDEに高度制限は公示されていませんが、元々存在しない高度制限を管制官による高度制限に変更しているため、追加という形をとっていますが実質的には高度制限の変更と解釈することができます。
そのため、1つ前の例と同じ指示の出し方をすることができます。

ただし、この指示は通じない可能性の方が高いため、今回も分けて指示を出すのが無難でしょう。

RJBB_APP
RJBB_APP

ANA93, cleared via DANDE ALFA ARRIVAL. Descend to reach 10000 by DANDE.

DANDE通過後

RJBB_APP
RJBB_APP

ANA93, descend via STAR to 4000.

進入許可と同時にSTARを承認する際、STARの開始点に管制官による高度制限を追加あるいはこれに変更する場合で、この制限を有効とするとき

ひとつ前の例のDANDE ALFA ARRIVALで進入許可と同時にSTARを承認する場合に、管制官によるDANDE at 10000ftの高度制限を有効としたい場合は次のように指示をします。

RJBB_APP
RJBB_APP

ANA93, cleared for ILS Y RWY06R approach via DANDE ALFA ARRIVAL. Cross DANDE at 10000, rest of restrictions unchanged.

この場合も、追加又は変更となる高度制限を指示し、その他の高度制限について通報する必要があります。
というのも、進入許可と同時にSTARを承認する場合、航空機が遵守すべきなのはMEA、STARに公示された高度制限及び速度であるためです。

b.STARを経由して到着機に対し進入許可を発出する場合は次に掲げるとおりとする。ただし、RNAV1として指定されたSTARを承認する場合は、レーダー業務が提供できる場合に限る。
(a)進入許可の発出と同時に当該計器進入方式に接続するSTARを承認する。
Phraseology: CLEARED FOR ( 〔type of approach〕 ) APPROACH VIA 〔STAR name〕

注: この場合、航空機は航空路等の最低経路高度及びSTARの高度制限又は速度に従って降下し進入を行う。

VATJPN管制方式基準(Ⅱ)計器飛行管制方式7到着機(7)進入許可

進入許可と同時にSTARを承認する際、STARより手前のFIXに管制官による高度制限を追加し、この制限を有効とするとき

例えば、ILS RWY16 APCHと同時にMALTS EAST ARRIVALの承認を行う場合で、STOUT at FL170の高度制限を有効としたい場合は次のように指示します。

RJFF_APP
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SFJ41, cleared for ILS RWY16 APCH via MALTS EAST ARRIVAL. Cross STOUT at FL170.

この場合、STARに公示された高度制限を変更していないため、「Rest of restrictions unchanged.」の通報は不要です。

STOUTの高度制限について改めて言及しない場合は、この制限は無効と解釈できます。

Leave [FIX] [HDG]を用いたレーダー誘導を開始する際に管制官による高度制限を有効にするとき

福岡コントロールからY20を飛行中の航空機に次のような降下指示が出されました。

RJFF_APP
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SFJ41, descend to reach FL170 by STOUT.

この後福岡アプローチに移管され、FL170に到達する前に「Leave STOUT heading 270.」の指示でILS RWY16最終進入コースへのレーダー誘導が開始されました。
この指示の際にSTOUT at FL170の高度制限を有効にしたうえで、12000ftへの降下を指示する場合は次のように指示します。

RJFF_APP
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SFJ41, leave STOUT heading 270 vector to final approach course. Descend and maintain 12000, comply with restrictions.

当該機が制限付きの上昇/降下をしている場合で、指定高度に到達する前にレーダー誘導を開始する場合は、誘導の開始の宣言の際に高度について言及する必要があります。

(5)誘導を開始する場合は次に掲げる事項を通報するものとする。
(a)航空路、フィックス等の誘導目標及び誘導目的。ただし、誘導目標又は誘導目的の一方を通報することにより他方が明らかである場合は、いずれかの通報で足りる。
(b)維持すべき高度(当該機が指定された高度を維持している場合又は指定された高度に制限なしで上昇又は降下を行っている場合は省略することができる。)
(c)誘導中の航空機に承認されたATS 経路を横切らせる場合は、その旨。
(d)必要と思われる場合は、無線通信途絶の場合の緊急飛行方法

VATJPN管制方式基準(Ⅳ)レーダー使用基準4レーダー誘導(5)誘導に係る通報事項等

この場合、当該機はSTOUT at FL170という制限付きで降下をしているわけですから、FL170に到達する前にレーダー誘導を開始する場合、高度について言及する必要があります。

STOUT到達前にレーダー誘導を開始する場合は、通常高度制限について言及する必要はありませんが、原則としてその旨をCTRと調整しなければいけません。

公示された速度

ここからは、SIDやTransition、STARに公示された速度と速度調整の関係について解説していきます。

この公示された速度ですが、これは一部の例外を除き、RNAV1経路からの逸脱を防止するために設定されています。
したがって、基本的には遵守させなければいけません
このことは、規定上明確に示されていませんが、AIPの記述から読み取ることができます。

「Climb via SID」の指示に関わらず、速度が公示されたSID/トランジッションを承認された場合は、管制機関から別途指示がない限り公示された速度に従わなければならない。

eAIP JAPAN ENR 1.5-20 3.1.3注

「Descend via STAR」の指示に関わらず、速度が公示されたSTARを承認された場合は、管制機関から別途速度の指示がない限り公示された速度に従わなければならない。

eAIP JAPAN ENR 1.5-17 2.1.3注

さて、速度調整の終了に関する規定は以下に示す通りです。

(5)
a.速度調整の必要がなくなった場合には、次に掲げる場合を除き、速やかに航空機に対しその旨を通報するものとする。
(a)待機を指示した場合
(b)(Ⅱ)1(10)により SID 若しくは SID 及びトランジションによる上昇又は STAR による降下を指示した場合
(c)進入許可を発出した場合
(d)レーダー進入において接地点から5海里の地点又は最終降下開始点のうちいずれか接地点から遠い方の地点を通過した場合
(e)速度を維持すべき地点を明示したのち当該地点を通過した場合

注: 速度調整は(a)若しくは(b)を指示した地点、(c)を発出した地点又は(d)若しくは(e)の地点を通過した時点において自動的に終了する。

b.速度調整の終了は以下の用語により行うものとする。
(a)SID、トランジション、STAR 又は計器進入方式により飛行中の航空機(SID、トランジション、STAR 又は計器進入方式により飛行すべき地点に向かって通常航法により飛行中の航空機、既に STAR を承認された航空機であって STAR の開始点より手前を通常航法により飛行中の航空機又は既に計器進入方式を許可された航空機であって計器進入方式の開始点より手前を通常航法により飛行中の航空機を含む。)公示された当該方式又は経路の速度に従って飛行させる場合
Phraseology: RESUME PUBLISHED SPEED.
(b)(a)以外の場合
Phraseology: RESUME NORMAL SPEED.

VATJPN管制方式基準(Ⅳ)レーダー使用基準9速度調整(5)調整の終了

まとめると次のようになります。

  • Climb via SID/Descend via STARを指示した場合
     →速度調整は自動的に終了(航空機は公示された速度に従い、任意の速度で飛行する)
  • Resume published speedを指示した場合
     →航空機は公示された速度に従い任意の速度で飛行する
  • Resume normal speedを指示した場合
     →航空機は任意の速度で飛行する

例えば、長崎空港のFUBUKI ARRIVALにはOBAMAにMAX 230kt、AINOHにMAX 210ktの速度が公示されています。

eAIP JAPAN RJFU AD 2.24  CHARTS RELATED TO AN AERODROME/ Standard Arrival Chart – Instrument (RNAV)

STARの承認後、当該機に対し速度調整が開始されました。

RJFU_APP
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JAL2375, reduce speed to 240kt.

先ほど述べたように、公示された速度は基本的に遵守するものですから、OBAMAに着くまでに速度調整を終了するか、公示された速度より遅い速度への減速を指示しなければいけません。

RJFU_APP
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JAL2375, resume published speed.

または

RJFU_APP
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JAL2375, reduce speed to 190kt.

また、「Descend via STAR」の用語を用いても速度調整は終了となります。

RJFU_APP
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JAL2375, descend via STAR to 2600.

ただし、高度の再指定を行う必要がない(指定高度を変更する必要がない)にも関わらず、速度調整を終了させるためだけに「Descend via STAR」の用語を用いるのは避けたほうがよいでしょう。

また、「Climb via SID」「Descend via STAR」の用語を用いて上昇/降下させる際、速度調整が引き続き必要な場合はその旨を別途指示しなければいけません。

RJFU_APP
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JAL2375, descend via STAR to 2600. Reduce speed to 190kt or less.

まとめ

長々と交信例が続きましたが、VATSIMで管制をするにあたってぜひ知っておいていただきたいポイントだけを最後にまとめます。

  • Climb via SID/ Descend via STAR
     →公示された高度制限及び速度のみを有効とする。特に指示しなければ、管制官による高度制限は無効。また、速度調整を行っていた場合は、自動的に終了になる。
  • Comply with restrictions
     →管制官による高度制限のみを有効とする。
  • 飛行中に(Climb/ Descend and)maintainの用語を用いて高度を再指定した場合、またはレーダー誘導終了時を含めてフィックスへの直行を指示した場合
     →高度制限について言及しなければ、公示されたものも管制官によるものもすべて無効
  • SID等に高度制限及び速度が公示されていない場合など、守らせる高度制限が存在しない場合
     →Climb/ Descend and maintainの用語を使用
  • STARより手前のFIXに高度制限を追加し、STARに公示された制限は変更していない場合
     →Descend via STAR to [Alt], cross [FIX] at [Alt].
  • STARに公示された高度制限を一部でも変更、または高度制限を追加した場合
     →制限が変更、追加されたFIXより手前で、Descend via STARの用語は用いることはできない。制限が変更、追加されたFIXを通過してから、Descend via STARを用いるなどの対応が必要。
  • 高度について言及しなければいけないとき
     1. STARの承認をするとき
     2. 制限付きで上昇/降下を行っている航空機に対して、指定高度に到達する前にレーダー誘導を開始するとき
  • 公示された速度
     →原則として遵守させる。速度調整を行っていた場合は、航空機が公示された速度を遵守できるような指示を出さなければならない。

おさらいクイズ

「Climb via SID」、「Descend via STAR」のみで有効となるものの組み合わせとして、正しいものを1つ選べ。
SIDに公示された高度制限及び速度がない場合で、出発機に対し制限なしでFL150までの上昇を指示する際の用語として、最も適当なものを1つ選べ。
AT ASSIGNED ALTITUDEの高度制限が公示されているFIXの通過高度として、正しいものを1つ選べ。
レーダー誘導終了時に、SID上のFIXへの直行を指示した場合で、当該FIX以降の公示された高度制限及び速度を有効とする指示として、正しいものを1つ選べ。
STARより手前の航空路を飛行中の航空機に対し、STARの承認と共に「Descend via STAR」の用語を用いて進入開始高度までの降下を指示できる場合の条件として、最も適当なものを次のうちから1つ選べ。
KAINA at 11000ftの制限付きで降下中の航空機に対して、KAINA通過後HDG060でILS RWY32Lの最終進入コースへのレーダー誘導を開始し、5000ftまでの降下を指示する場合の指示として、最も適当なものを次のうちから1つ選べ。ただし、前述の高度制限は守らせるものとし、当該機はATIS情報により計器進入方式の種類を知っているものとする。
公示された速度が存在するSTARを飛行している速度調整中の航空機に対して、速度調整を終了し公示された速度を遵守させる場合の指示として、最も適当なものを次のうちから1つ選べ。ただし、速度調整の終了に際し、指定高度を変更する必要はないものとする。
高度制限・公示された速度のおさらい
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参考文献等

本記事は以下の文献等をもとに作成しています。

・第37回ATSシンポジウム研究発表「適切でない管制用語の使われ方」、「高度制限の再確認」

発表資料:http://atcaj.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2015/11/37th_ATS_Symposium.pdf

JAPA 第37回ATSシンポジウム 1 適切でない管制用語の使われ方
JAPA 第37回ATSシンポジウム 3 高度制限の再確認

・第38回ATSシンポジウム「管制方式基準の改正」、「PANS-ATM 改正に伴う管制方式基準等の運用 1.CLIMB VIA SIDとDESCEND VIA STARの運用例」

発表資料:http://atcaj.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2016/11/H28_ATS_Symposium_paper.pdf

JAPA 第38回 02 管制方式基準の改正
JAPA 第38回 03 CLIMB VIA と DESCEND VIA の運用例

・一般財団法人 航空交通管制協会 ATC再発見 Vol.2 【管制方式基準改正のポイント】http://atcaj.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2016/11/Radio_Telephony_Meeting_Vol_002B.pdf

・同 Vol.3 【管制方式基準改正のポイント-2】http://atcaj.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2016/12/Radio_Telephony_Meeting_Vol_003.pdf

・同 Vol.17 【”At assigned altitude”の飛行】http://atcaj.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/06/Radio_Telephony_Meeting_Vol_017.pdf

・AIM-J 2017年前期版

・VATSIM JAPAN【NOTAM】VATJPN管制方式基準改定の改正についてhttp://www.vatjpn.org/forum/5/2580#post-15953

・VATSIM JAPAN H.28下期の管制方式基準改定についての質問スレッドhttp://www.vatjpn.org/forum/1/2582

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