【重要】記事の内容に関する訂正とお詫び

PARアプローチ

この記事は「Reverse Green」で公開されていたものです。

PARアプローチそれ自体については各所で解説がなされているかと思いますので省略しまして、ここではVATSIMでPARアプローチを楽しむために必要な解説を行います。

VATSIMでPARアプローチを行うには

まずPARアプローチを行うためには、GCA(着陸誘導管制)を担当する管制官がログインしている必要があります。
ベーシックなのはR○○○_G_APPのコールサインでログインしている管制官ですが、この辺に関しては柔軟な運用が行われていまして、一番確実なのはVATJPNのサイトにある管制予約を確認することです。管制予約においてPARアプローチ可の旨が記載されているかを確認しましょう。
PARアプローチについて特になにも記載されていない場合は、PARアプローチが行われていないものと理解しましょう。
PARアプローチ中は1機に対して管制官1人がつきっきりにならなければならないため、基本的には通常のレーダー管制官とは別にGCA管制官がログインします。
しかしトラフィック量が少ない場合、通常のアプローチ管制とGCAを兼任する場合もあります。この場合到着空港を担当するレーダー管制官が1人しかいなくてもPARアプローチを実施することが可能です。

この際注意して頂きたいのは、自機以外のトラフィックが担当管制官の管制圏内にいる、或いは新たに進入してきた、または出発機として地上に現れた場合、原則としてPARアプローチを受けられなくなってしまうということです。
既にPARアプローチを実施中であったとしても、状況に応じて中断され代替アプローチ方式に移行します。
というわけで、PARアプローチを行っている管制官がいても、PARアプローチを実施出来ない場合があることを覚えておいて下さい。1人PARは2機来た瞬間に詰みます(笑)

PARアプローチを実施する際に必要なソフトウェア

恐らく多くの方が、漠然と「普通に飛んでいけばPARアプローチを受けられるのだろう」と思っているかと思います。私もその1人でした。リアルのPARアプローチは(たぶん)航空機側になんの設備も要りませんし、恐らくそれが普通の感覚なのではないかと思います。
ただ残念ながら(と言うほど大げさな話ではありませんが)VATSIMの場合はPARアプローチ用のソフトウェアが必要でして、FSInn等のクライアントソフトとは別に用意しなければなりません。

現在vPARダウンロードサイトは存在しないようです。詳細についてはVATJPN公式フォーラムをご覧ください。

フライトの際に使用するのはvPAR Transponder(vPAR_X.exe)になります。起動したらコールサインを入力します。その時のフライトでVATSIM接続に使用しているものを入力して下さい。その後GCA管制官からプライベートメッセージで送られてくるIPアドレスを入力し、Connectボタンを押して接続が成功すれば準備は完了です。

vPARは管理者権限で起動することの他、TCP4242のポート開放及びFSUIPCのダウンロードが必要です。

PARアプローチ解説

いよいよここからはPARアプローチについて具体的に解説していきます。
こんなマニアックなページをご覧の皆さんは既に御存知かとは思いますが、PARアプローチでは、通常の航空管制とは大きく異なる用語が数多く用いられます。それらをこれから順番に解説していくわけですが、ひとまず安心して下さい。パイロットは暗記しなくても大丈夫です。
PARアプローチ独特の、いくつかある定型文を聞き分けて、それぞれに応じた対応を取ることが出来ればOKです。パイロットが言わなければいけないのは、せいぜいroger.とin sight.くらいですので。
ただし、マニュアル操縦中であろうとなんであろうとPTTキーを押して交信出来るようにしておく必要はありますので、それだけは確実にしておいて下さい。
まずは図を用意しましたので、ざっくりと見ておいて下さい。
恐らく文章だけだとこんがらがってきてしまうかと思います。自分の理解が追いつかないな、と思ったら図に戻ると良いでしょう。(右クリック等で別途開けば、大きいサイズでご覧いただけます。)

普段のフライトでは聞かない用語ばかりかと思いますが、難しいことは言っていないことが分かると思います。さらにパイロットはこれらを口にする必要もありませんから、聞き取って脳内で処理出来るよう頑張って下さい。

アプローチタイプの通報

PARアプローチが始まるまでの間は、通常、滑走路に向けて一般的なレーダーベクターが行われます。(たまにSTARやIAPを使用して、途中からPARアプローチが始まる場合もあるようです。)
この際、適当なタイミングでこれからPARアプローチを行いますよ、ということを管制官から通報されます。

GCA
GCA

ANA751, this will be a PAR approach to RWYxx. Guidance limit xxxft. Perform landing check.
RWYxxへのPARアプローチを実施します。誘導限界高度はxxxフィートです。着陸点検を行って下さい。

ANA751
ANA751

Roger.

PARアプローチの通知と合わせて、誘導限界高度も通知されます。パイロットは、その高度までに滑走路を視認しなければならず、そこから先は目視により着陸する必要があります。
また、管制官によっては誘導限界高度を下回った後も誘導を続けてくれますが、それについてはあくまでアドバイスであり、誘導の正確性が保証されるものではありません。

着陸点検については深く考える必要はありません。これも一種のアドバイス・注意喚起です。通常のフライトと同じように、着陸や到着地に関する(脳内)ブリーフィングを行いましょう。

これに合わせて、ミストアプローチの方法について指示される場合があります。ただし管制基準上、進入中に計器気象状態(IMC)まで天候が悪くなる恐れがある場合に進入復行方式を通報するとありますので、特になにも言われない場合も多いかと思います。(VATSIMではIMCでも省略されることが多い?かもしれません。)
また、タッチアンドゴーの場合は完了後の飛行についてこのタイミングで指示されることが多いかと思います。いずれかの指示を受けた場合は、それについては復唱すべきでしょう。

通信途絶に関する指示

5秒以上通信がなかったらうんたらというアレです。実はこちらもIMCの場合やIMCになる恐れがある場合に指示することとされています。(こちらもVATSIMではIMCでも省略されることが多い?かもしれません。)

GCA
GCA

ANA751, if no transmissions are received for 5 seconds on final approach, attempt contact xxx.x and proceed with xxx RWYxx approach.
もしファイナルアプローチで5秒以上交信が途切れた場合は、xxx.x MHzで交信を試み、xxx RWYxx アプローチを実施して下さい。

ANA751
ANA751

Roger.

説明の都合上分けましたが、上記のアプローチタイプの通報の際にまとめて言われることになるかと思います。

送信中断の通報

PARアプローチ中は基本的に管制官のみが無線送信を行います。さらに、必要があればぺらぺらと指示をしゃべり続けることも許されています。しかしアプローチ中に航空機になにかトラブルがあった場合等、パイロット側から送信したい状況も起こりえます。
そこで最終進入の際にちょっと(5秒未満)送信中断するから、なにかあったらそこでよろしくね、という通知があります。

GCA
GCA

ANA751, my transmission on final will be discontinued for less than 5 seconds, you may transmit during the period.
最終進入の際、こちらからの送信を5秒未満中断します。必要があればその間に送信して下さい。

ANA751
ANA751

Roger.

送信不要の通報

以上のような通報を受けながらファイナルアプローチへ近づいていきます。その間は通常のレーダーベクターを受けることになりますので、いつも通り逐一復唱もします
そうしてファイナルアプローチが近づくと、PARを担当するファイナルコントローラーとの交信が始まります。ファイナルコントローラーはアプローチ管制官やGCA管制官と同じ人の場合もあれば違う場合もありますが、管制官の指示に従って交信している限りパイロット側で特に気にすべきことはありません。

ファイナルコントローラーとの交信は原則としてレディオチェックから始まります。問題なく交信出来ることを確認したら、多くの場合はこれ以降パイロットからの復唱は不要となる旨が告げられ、有名なPARアプローチの誘導が始まります。

GCA
GCA

ANA751, this is xxx final controller. Radio check how do you read?
こちらはxxx空港着陸誘導管制官です。感明度いかがですか?

ANA751
ANA751

Reading 5, ANA751.

GCA
GCA

Also Reading 5. Do Not acknowledge further transmissions.
こちらも感明良好です。これ以降の交信には応答しないで下さい。

ここからはもう応答しませんので、Roger.等も不要です。通常は以下で解説する着陸誘導の指示が続きます。

着陸までの距離

着陸地点までの距離を海里で伝えられます。

GCA
GCA

11 miles from touch down.
着陸地点まで残り11海里です。

最終進入コースの誘導

原則としてまずは横方向の指示から始まります。管制官からの交信の内容は以下の3つになります。

  • 通常と同じ旋回指示(1°単位)
  • 滑走路中心線に対する自機の位置
  • 滑走路中心線に対する自機の動き

これに程度を表す言葉が付与されます。
位置についてはslightly(少し)/well(又はvery)(とても)、
動きについてはquickly(はやく)/slowly(ゆっくり)の2つずつです。
なにもつかない場合は中程度と理解すれば問題ありません。

まず旋回指示については、上記の通り通常と同じ用語を使うことになります。Turn right heading xxx./Turn left heading xxx.となりますので、指示された方位に旋回します。

滑走路中心線に対する自機の位置については以下の3つの用語が使用されます。

  • On course.(滑走路中心線上にいる。)
  • Right of course.(右側にずれている。)
  • Left of course.(左側にずれている。)

滑走路中心線に対する自機の動きについては以下の4つの用語が使用されます。

  • Going Right.(滑走路中心線から右側へずれていっている。)
  • Going Left.(滑走路中心線から左側へずれていっている。)
  • Holding.(滑走路中心線から離れて平行に飛んでいる。)
  • Coming back to(又はApproaching又はcorrecting)course.(滑走路中心線に近づいている。)

これらを組み合わせて指示がなされます。以下にいくつか例を示します。

GCA
GCA

Well left of course, approaching course quickly. Continue heading 350.
滑走路中心線から大きく左側にずれていて、中心線へ向けてどんどん近づいています。そのまま機首方位350°で飛んで下さい。

GCA
GCA

Left of course, approaching course quickly. Turn left heading 330.
滑走路中心線の左側にいて、中心線へ向けてどんどん近づいています。方位330°に左旋回して下さい。

GCA
GCA

Left of course, approaching course. Turn left heading 325.
滑走路中心線の左側にいて、中心線へ向けて近づいています。方位325°に左旋回して下さい。

GCA
GCA

Slightly left of course, approaching course slowly. Turn left heading 323.
滑走路中心線の少し左側にいて、中心線へ向けてゆっくり近づいています。方位323°へ左旋回して下さい。

GCA
GCA

On course. Turn left heading 322.
滑走路中心線上にいます。方位322°に左旋回して下さい。

GCA
GCA

Slightly right of course, going right. Turn left heading 320.
滑走路中心線の少し右側にいて、右へ離れて行っています。方位320°に左旋回して下さい。

GCA
GCA

Slightly right of course and holding. Turn left heading 317.
滑走路中心線の少し右側にいて、そのまま平行に飛んでいます。方位317°に左旋回して下さい。

GCA
GCA

Slightly right of course, coming back to course slowly.
滑走路中心線の少し右側にいて、ゆっくり戻ってきています。

降下に関する誘導

水平方向の指示をしばらく受けてグライドパスに近づくとその旨通報されます。

GCA
GCA

Approaching glide path. Gear should be down.
グライドパスに近づいています。ランディングギアが降りていることを確認して下さい。

Gear should be downについては注意喚起ですので、絶対に守らないといけないわけではありません。なお、自衛隊機の場合はDown locked.等とギアが降りていることを通報します。
民間機の場合でもDown three green.等と言うパイロットもいるようですが、復唱しても、しなくても大丈夫です。
Approaching glide pathが通報されたあと、30秒程度するとグライドパスに会合します。

GCA
GCA

Begin descent.
降下を開始して下さい。

Begin descentの指示が来たら、最終降下を開始します。降下に関する交信の内容は以下の3つです。

  • グライドパスに対する自機の位置
  • グライドパスに対する自機の動き
  • 降下率の指示

垂直方向の指示についても、水平方向の指示と同じくslightly/well(又はvery)/quickly/slowlyを用います。
なお、降下中も当然水平方向の指示が合わせて飛んできます。交信量が増えますので注意して下さい。

グライドパスに対する自機の位置については以下の3つの用語を使用します。

  • Above glide path.(グライドパスの上にいます。)
  • On glide path.(グライドパス上にいます。)
  • Below glide path.(グライドパスの下にいます。)

グライドパスに対する自機の動きについては以下の5つの用語を使用します。

  • Going above.(グライドパスの上に向かって離れていっています。)
  • Going below.(グライドパスの下に向かって離れていっています。)
  • Holding.(グライドパスから離れたまま、グライドパスと平行に降下しています。)
  • Coming up.(グライドパスの下からグライドパスに近づいていっています。)
  • Coming down.(グライドパスの上からグライドパスに近づいていっています。)

降下率の指示については以下の2つの用語を使用します。

  • Adjust rate of descent.(降下率を修正して下さい。)
  • Resume normal rate of descent.(通常の降下率(およそ3°)に戻して下さい。)

これらを組み合わせて指示がなされます。以下にいくつか例を示します。

GCA
GCA

Slightly above glide path, going above. Adjust rate of descent.
少しグライドパスの上にいて、上方向に離れていっています。降下率を修正して下さい。

GCA
GCA

Slightly above glide path and holding. Adjust rate of descent.
少しグライドパスの上にいて、グライドパスと平行に飛んでいます。降下率を修正して下さい。

GCA
GCA

Slightly above glide path, coming down slowly.
少しグライドパスの上にいて、ゆっくりグライドパスに近づいています。

GCA
GCA

On glide path, Resume normal rate of descent.
グライドパス上にいます。通常の降下率に戻して下さい。

誘導限界・着陸

適当なタイミングで着陸許可が出されます。自衛隊機はCleared to land.等と簡単に復唱します。民間機の場合はGear should be down.の場合と同じく、復唱してもしなくても構いません。

誘導限界高度が近づいてくると、その旨通報されます。

GCA
GCA

Approaching guidance limit.
誘導限界高度が近づいています。

その後誘導限界高度に達すると、目視にて進入すべき旨、及び滑走路を視認出来ない場合は進入復行すべき旨が通報されます。これに対しては必ず滑走路が視認出来ているかどうか、パイロットから通報しなければなりません。

GCA
GCA

Guidance limit, take over visually. If runway not in sight, execute missed approach.
誘導限界高度です。ここからは目視にて進入して下さい。もし滑走路を視認出来ない場合は進入復行して下さい。

ANA751
ANA751

Runway in sight.

GCA
GCA

Roger, after landing contact xxx tower xxx.x.
了解、着陸したらxxxタワーにxxx.xMHzでコンタクトして下さい。

ANA751
ANA751

Contact xxx tower xxx.x.

これにてPARアプローチは完了です。
ハンドオフを指示された場合は、なるべく早いタイミングでコンタクトするようにしましょう。

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