この記事は2020年8月ごろに公開を終了する予定です。
APP編
伊丹空港管制講座APP編です。伊丹の到着機は関西アプローチ(Frequency:120.45)が担当しますが、多忙時は関西レーダーが出て来ます。なおDANDEから来るRJBB便も途中まで担当します。
アプローチ編では32運用のみ解説し、14運用についてはすべてILS runway 32Lに突っ込むだけなので割愛します。
イニシャルコンタクトでの32Rのリクエスト
伊丹空港では滑走路32Rをリクエストする場合、パイロットからその旨とアプローチタイプのリクエストが自発的に通報されるようです。

Kansai approach, JAC2324, maintain 9000. Information L. Request visual 32R.

JAC2324,Kansai approach, landing runway 32R. Fly heading 180 vector for visual approach runway 32R. Maintain 9000.
イニシャルコンタクト時の直行指示
東からはKODAIからIKOMA EAST ARRIVAL、南からはKAINAからHABIK ARRIVALを経由してIKOMAまで進入するSTARが公示されています。しかしながら交通状況によってはイニシャルコンタクト時にSTARのクリアランスとHABIK又はIKOMAまでの直行指示を出す場合があります。
なおAIP JAPANに公示されているルートだと東からはKODAI、MIRAI、ABENO、IKOMAでファイルするようになっているようです。このルートでファイルされている航空機はSTARのクリアランスは発出されず直行指示と高度指示のみ指示されます。

Kansai approach, ANA77, leaving FL157 for 13000. Information X.

ANA77, Kansai approach. Recleared direct IKOMA. Descend and maintain 13000.

Direct IKOMA, 13000, ANA77.
なおIKOMAへの直行指示を出した場合のILS runway 32L approach(Circle to 32Rも同様)の進入許可はIKOMA手前のMVAが4000の為次のように指示されるようです。

ANA77, 7 miles from IKOMA. Maintain 4000 or above until IKOMA. Cleared for ILS runway 32L approach.
ファイナルベクター
伊丹ではスペーシングの必要がある場合はほとんどがファイナルへベクターされるようです。
ファイナルへベクターする際は先述したIKOMA手前の4000のMVAを避ける為に、アプローチゲートのギリギリ手前でLOCに乗せるようです。

ANA77, 4 miles from MIDOH. Turn right heading 290.Cleared for ILS runway 32L approach.
またIKOMA手前でLOCに乗せる場合は一度「intercept localizer」を指示して3500のMVAの部分に入ってから降下指示と進入許可を発出するようです。
なお一度しか聞いたことありませんが次のような言い方もされていました。

ANA77, 7 miles from IKOMA. Turn right heading 290.Maintain 4000 or above until established localizer. Cleared for ILS runway 32L approach.
ビシュアルアプローチ
北からの32Rに進入する航空機は、天候がいい場合ライトダウンウインド経由でビジュアルアプローチを行うことがあります。

JAC2324, cleared visual approach runway 32R. Proceed to right downwind.
サークリング32R
途中までILS runway 32L approachで進入し、right breakして32Rに進入するやり方です。形の上では周回進入として扱われます。

JAC2324, cleared for ILS runway 32L approach, circle to runway 32R.
RNAV 32R Approach
RNAV 32Rで進入する航空機はどこにベクターされてもKIKYOを3500ft以上で通過するように指示されるようです。

ANA77, maintain 3500 or above until KIKYO. Cleared for RNAV runway 32R approach.
DEP編
DEP編です。といっても関西の空域分担はどのようになっているのかいまいち掴めていないので、とりあえずある程度つかめている伊丹発メインの関西ディパーチャー(FREQ:119.5)について書きたいと思います。
イニシャルコンタクトはほぼ「Radar contact」だけで終わりです。たまにヘディング180でレーダーベクターをするときもあるようです。
東行き
暫定高度はFL160です。
ASUKA及びMINACへの直行はよく出されています。これらに関してはDEP権限で指示を出せるようです。ただKCCへの直行をリクエストしてきた航空機に対しては調整が掛かってました。
西行き
暫定高度はFL200。
SUMAR及びMAIKOへの直行は同じくDEP権限で出せるようです。
この後は関空出発便を管轄する関西ディパーチャー(FREQ:119.2)へハンドオフされます。
出雲・但馬行きのJAC便
ASAGI-Transition又はTOZAN-Transitionを経由するJACは、識別をとってしばらくしてから、レーダーベクターをする場合が多いようです。この場合は、神戸VOR 324radialへベクターします。

JAC2323, fly heading [heading] vector to intercept KCE 324 radial.
大体270か280へ振られるのでもしかするとショートカットの為かもしれません。
レーダー誘導を終了し、KCE R324に会合させてから主に神戸離発着便を管轄する関西レーダー(FREQ:120.85)にハンドオフします。
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